地域ぐるみ小中規模木質バイオマス熱電併給事業 -紫波郡・石鳥谷シリーズ-
当社では2021年から、紫波郡紫波町や花巻市石鳥谷町内の老人福祉施設において、木質ガス化熱電併給と木質チップボイラの組み合わせシステムによるエネルギー供給サービスを行っています。
<プレスリリース> 小中規模木質バイオマス熱電併給事業開始→地域ぐるみでの展開へ
「木質バイオマス熱電併給(CHP:Combined Heat&Power)」とは、木質バイオマスから電気と熱を作り出すシステムです。電気は電力会社へ売電し、熱は燃料のチップ乾燥に利用するほか、隣接する老人福祉施設へ供給します。
複数の案件を順次進めながら、並行してチップ製造や間伐材買取当のインフラを整備することを目標としています。
■事業展開イメージ
■機器構成
重油→地域由来の木質バイオマスエネルギーへ
施設ではこれまで、およそ9万ℓ/年の重油を暖房・給湯・風呂のためにボイラで焚いてきました。本事業では、この重油由来の熱のうち9割以上を木質バイオマスに置き換えることを目指しています。
寒冷な岩手県においては特に冬季の熱需要が大きいため、重油・灯油の消費量も大きいです。また岩手県における灯油・A重油の販売額は、岩手県のコメの生産額に匹敵する額であるとも言われ(※1)、地域外へ多額の燃料代が出て行きます。
そこで本事業では、燃料として地域の森林由来の木質バイオマス(特に間伐材)を使うことで、輸入資源である化石燃料への依存と支払を減らすとともに、温室効果ガスの削減を行います。
(※1)引用
伊藤幸男(2013)「地域の自立に向けた木質バイオマスエネルギー利用の政策提言」. 農村計画学会誌32(1), p. 64.
地域ぐるみのノウハウ蓄積・インフラ整備
日本では、木質バイオマスの機器・工事費が高く(欧州の2.5〜3倍)、普及が進んでいません。
本事業では、趣旨に賛同する地域内の工事会社(電気・管・建屋など)と協力チームを組み、事業のコストダウンと共にノウハウの蓄積を図ります。
また、木質ガス化熱電併給では、適した品質(形状、含水率など)のチップを使う必要があります。木質ガス化に適したチッパー初期投資は、複数案件の一定経済規模により、投資回収が図れます。また地域の間伐材等の買取インフラとなることで、間伐等の森林整備に入ろうという人を促します。
本事業の小中規模の技術及び組み合わせによる熱電併給システムでは、投入した木質バイオマスエネルギーのうち、電気2~3割、熱6割弱、併せて8~9割を有効に活用することができます。森林資源をできる限り無駄なく、効率的に使う仕組みです。持続可能、かつ経済的に成り立つ方法で事業を築いていきます。
ユーザーの初期投資不要な木質バイオマス熱電併給設備等の導入
本事業は、エネルギーサービス(ESCo型)の契約形態としています。
熱需要家(熱ユーザー)と当社間で長期の熱利用契約を結びます。初期投資資金、技術リスクや運用メンテナンスの実務・費用負担は当社が行います。
そのためユーザー側は初期負担0で、木質バイオマスエネルギーを使うことができます。使用した熱エネルギーの分だけを「熱料金」として当社にお支払いいただくイメージです。
熱料金については、ユーザーは従来の重灯油の購入費用の支払先を変えるだけで、正味負担は増えない価格設定としています。ユーザーは、化石燃料を焚き続けている状況を、良くない事だからやめよう、という気持ちだけで、金銭的負担なく脱炭素ができます。一方当社は、20年間の電力会社への売電契約と熱供給契約を併せて、長期の融資返済を賄います。
視察プログラム・調査業務のご案内
「同様のエネルギー事業をしたい」「再生可能エネルギーを導入したい」という事業者・自治体の方を対象に、視察プログラムや調査業務もご提供しています。お気軽にお問合せください。
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■お問い合わせ
紫波グリーンエネルギー株式会社
E-メール:info★shiwa-green.co.jp (メール送付の際は★を@に変更願います)